見守られている

最近ナツは反抗期です。
私の言うことなんて、全く聞きやしない。
小さい頃はとっても従順で、すごく楽な子でした。
いつまでもそれじゃダメなんだけどね。

数年前まで、どこへ連れていってもじぃっと座っている地蔵のような子だったので、ナツがしゃべらなければ障害があるとはわからない、すごく大人しい子と見られていました。

今は、身長145センチと体も大きくなり、動きも何だかぎこちないし、やることなすこと幼いしで、一見してちょっと違うかな?という感じになってきました。
小さい頃は許されていたことが、体が大きくなると変なことになってしまうというか。
人前でものびのび動けるようになったのは良いことですが、目立つようになってきたな~と思います。

ナツは今でも平気で、外で座り込んだりしてしまいます。
結構頑固なので、口で立ちなさいと言っても聞きやしません。
しかし体が私とそう変わらなくなってきたので、もう重すぎて、力ずくでは無理です。

学校からの帰り、アパートについて、さっと車から降りればいいのに、「おりない」と言って動かない。
手を引っ張って降りようとすると、シートに寝転ぶ。
朝学校に着いたときはそんなことないので、一日学校で頑張って疲れているんだと思います。
家についてホッとしたのと、最初は緊張してたのが、このところ余裕が出てきて、ドライバーさんに甘えてるんだとか、いろいろあるんだと思います。
でも毎回これでは、参ってしまいます。
こんなことが何日か続き、もういい加減にしてと思ってました。

いつまでもエントランスの前に車を止めていたら邪魔だし、ドライバーさんは夕方からひどくなる渋滞の中を帰らなければならないから、少しでも早く返してあげたいし、とにかくすんなり車から降りて家に入ろうよ!
私がナツを無理やり引きずり下ろすようにしていたら、アパートの警備のおじさんやトゥクトゥクの運転手さんが様子を見に来てくれるようになりました。

受付のおばさんやお掃除のおばさんも、エントランスのドアを開けて手招きしてくれます。
そうやって、学校から帰って来たナツを出迎えてくれるのです。
ドライバーさんも早く帰りたいだろうに、全く焦らすことなく、にこにこ「ナッチャーン」と声を掛けてくれます。

「この子は障害があって・・・」とタイ語で説明することができないので、なにも言っていないのですが、ナツの様子を見れば、「この子何かある」ということはわかるはず。
「なにあの子」という目で見られてもおかしくない場面なのですが、そんな感じがまったくないのです。
冷たい目どころか、「また、今日もやってるよ、あっはっは~」と笑い飛ばす感じ。
「早くしなさ~い!」とキィ~!となっているのは私一人で、誰一人焦らす人はなく、そののんびりした雰囲気がとても楽です。

在タイが長いお友達に聞いてみたら、「そうなんだよね~。国民性かなぁ、あんまり細かいこと気にしないみたい。困ってると手伝ってくれたりするし、ほんと気が楽だよね~。」と言ってました。
優しいというよりかは、おおらかという感じです。
そこが本当にほっとします。
ゆっくりタイプのナツには やっぱり合っているのかな。

そうして日々、ドライバーさんとアパートの皆さんに見守られ、ここ数日はだいぶスムーズに車から降りられるようになりました。
見守られつつ、成長しています。

by mineyom | 2014-07-31 14:03 | タイ生活 いろいろ