夏休み旅行 花巻・遠野

週末に夫の夏休みがとれたので、岩手県に旅行に行ってきました。
日本に帰ってきてから改めて日本の良さを実感し、行ってみたいところ、見てみたい景色がたくさんあって、どこへ行くか悩んだのですが、連日の暑さに参り、北に向かうことにしました(東北だって夏だからもちろん暑いんですけどね)。
訪れた先は、花巻、遠野、三陸海岸の大船渡です。

「花巻」と言えば宮沢賢治のふるさと、「遠野」と言えば民話の里、「遠野物語」です。
子どもの頃にいくつか読んだ事はありましたが、かなり忘れてしまっていたので、予習していけばより楽しめるだろうと思って、「宮沢賢治童話集」と「遠野物語」を読んでから出かけました。

新幹線で2時間ほど、新花巻駅に降り立つと、青い空と山々の緑が目の前に広がっていました。
自然がいっぱいののどかな風景で、どこまでも続く広い空が印象的でした。
駅前には花巻らしく、「セロ弾きのゴーシュ」のレリーフが建てられていました。
近づくと反応して音楽が鳴り出し、ナツはこの歓迎にびっくりしながらも喜んでいました。
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駅でレンタカーを借り、観光に出発です。
まずは「宮沢賢治童話村」へ向かいました。
ここは宮沢賢治の童話の世界を、見て触って体感できる場所です。
入り口のゲートからワクワクするつくりです。
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中は緑が広がり、自然いっぱいの中に展示室が点在しています。
小川や橋もあり、しばらく川遊びも楽しみました。
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空の星座を写しとった道を歩いて「賢治の学校」へ。
ここは賢治が愛し、作品にちりばめられた宇宙や大地や空の世界を旅して肌で感じることができます。
私はここが一番気に入りました。
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ログハウスが並ぶのは「賢治の教室」。
それぞれ童話に登場する「動物」、「植物」、「星」、「鳥」、「石」などのテーマに分かれ、学べるようになっています。
小さなログハウスの教室というのが暖かみがあってよかったです。
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ナツが、宮沢賢治の童話に出会うのはまだ先でしょうが、童話のモチーフとなっている自然の美しさは感じてくれたかなと思いました。

童話村をあとにし、賢治が愛したというお蕎麦屋さんで「天ぷらそば」を食べた後、続いて「宮沢賢治記念館」へ。
こちらは学術的な展示が多く、ナツには難しくて飽きてしまったようでしたが、賢治の生涯や思想などが丁寧に解説してあり、非常に見応えがあり、勉強になりました。
ナツは「風の又三郎」のアニメーションを見て過ごしていました。
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記念館前の猫の事務所。

1日目は宮沢賢治にどっぷり浸かり、宿に向かいました。
泊まったのは「花巻温泉」。
お湯が熱くてナツはなかなか浸かることができず、ゆっくり寛ぐというわけには行きませんでしたが、温泉にも入れて満足でした。
温泉に入ったあとって、どうしてあんなに肌がツルツルになるんでしょうね~。
体もいつまでもぽかぽかと暖かく、温泉はやっぱりいいなぁと思いました。

2日目は朝から車に乗って「遠野」へ向けて出発。
花巻も自然がたくさんで良いところでしたが、遠野は更にのどかな風景の広がる町でした。
遠野は河童、山の神、ざしきわらしなどの伝説が残る民話の舞台です。
「遠野駅」を中心に、言い伝えのある場所が点在しています。
私達はまず、「かっぱ淵」を訪れました。
暗いところを想像していたら、思っていたよりも明るく涼やかで、気持ちのよい場所でしたが、水は澄んで美しく、昔はかっぱが住んでいたのもと思わせる雰囲気のある場所でした。
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ナツはかっぱ淵で水遊び。かっぱに引き込まれちゃうぞー。
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続いてすぐそばにある伝承園へ。
ここには昔ながらの住まいや建物が並んでおり、農村の暮らしや風習が体験しながら学べてしまいます。
特に蚕から糸巻きで糸をつむぐのが楽しかったです。
わらぶきの薄暗い家の中にいると、こんなところにざしきわらしはいたのかなと、自然に感じられました。
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最後は「とおの童話村」へ。
遠野に伝わる昔話をたくさん紹介していました。
パネルやアニメーションになって見やすく、また知らない話ばかりでとても興味深かったです。
時間によっては、実際におばあちゃんが昔話を語ってくれるのを聞ける時間があったのですが、ナツが大人しく聞いているのは無理だろうということになり、語りべ体験ができなかったのが残念でした。

こうして1日目2日目は童話や民話に触れる旅となったわけですが、山々に囲まれた静かなこの土地だからこそ、これらを身近に感じ、感銘を受けるのかなと思いました。
大きな自然と昔の日本をひしひしと感じ、山どころかビルが邪魔して小さな空しか見えない東京に帰るのが残念に思えるほどでした。

by mineyom | 2006-08-27 23:45 | 暮らし