中学校問題 その9 インターナショナルスクールの学費

その8にて書きました、インターナショナルスクールに入れようと動き出したら浮上した問題。
それは学費でした。
たかがお金されどお金。
お金の問題は重要です。

そもそもインターナショナルスクールの学費が高いことはわかっていました。
日本でもインターナショナルスクールの学費は高額ですしね。
日本人学校の学費よりも、かなり高くなってしまうことは認識した上で話を進めていました。

しかもこの学校はただのインターナショナルスクールではなく、スペシャルニーズのインターナショナルスクールです。
小規模で先生の数も多く、ST、OTの先生も常勤で毎週訓練を受けられるという至れり尽くせりっぷり。
学費も高くなろうというものです。

しかし、いくらなんでも高すぎる!
予想を超えてた!

以前から、こちらの学校に通われている方に、だいたい学費はいくら位という話は聞いていたんです。
確かに高いけど、まぁそれくらいなら会社にお願いしても大丈夫かな、という心積もりもありました。

駐在員の子どもの学費に関しては、どこの会社もだいたい規定があると思います。
会社によって様々ではありますが、日本人学校の場合は、学費は会社が全額負担というところが多いのではないかと思います。
夫の会社もそうでした。

インターナショナルスクールに関しては、会社によって、かなり違いがあると思います。
全額会社負担のところもあれば、日本人学校の学費を超える分は自己負担、ほとんど補助がない会社など、会社の考え方次第。

実は夫の会社は、全額会社負担ではないものの、かなりの額の会社負担があるので、インターナショナルスクールを選んでも、それほど大きな負担がなく通うことができます。
同じ会社の中でも、お子さんをインターナショナルスクールに入れている方も何人かいます。

しかし、体験入学後に提示された学費が・・・。
お友達にあらかじめ聞いていた学費を、遥かに越えていたのです。
年々学費が上がっているのは確かみたいですが、それでもちょっと高すぎるので、どうしてうちはこの金額なのかと問い合わせしてみました。
すると、体験入学の時にお子さんの様子を見させてもらったが、お子さんはlevels are lowなので、たくさんのケアと教育が必要だからだ、という返答がありました。
学費は一律だと思っていたのですが、実際はその子その子で大きく違っていたのです。

確かにお友達のお子さんよりナツは障害が重く、出来ないこともたくさんあるので、あなたの子は手が掛かるから、と言われてしまうと何も言えません。
夫は差をつけられた、失礼だと怒ってしまって、かなり不信感を抱いてしまったようです。

しかし、教育費は一律と思っているのは日本的な考えで、一人一人に合わせたカリキュラムを組み、オーダーメイドの教育をするというのは、特別支援教育においては特に、理に適っているのかなと思いました。
欧米ではそっちの方がスタンダードなのかも。

しかしその額が尋常じゃありません。
それだけあれば、私立大学、いや私立の医学部も行けちゃいます。
中学の3年間で1000万円を越えてしまうんです。。。
手が掛かると言っても、ナツに特別に一人先生をつけてくれるわけでもなく、基本は同じクラスに入って過ごすので、そこまでの待遇の差は感じられず、腑に落ちない気もしました。

この学費を会社に申請するのも、さすがに気が引けました。
実際、夫が本社の方に日本人学校の中学部に支援学級がないので、インターナショナルスクールを希望しているが、学費がこれこれですと問い合わせしたところ、そのあと音沙汰なしになってしまったし・・・。

夫の会社は毎年2月に辞令が出るので、これは絶対、帰国辞令が出るんだ!と辞令発令日まで、夫婦で戦々恐々としてました。

結局、この春の帰国はありませんでしたが、それは赴任1年で帰国させては、子どもの学校の件で帰国させるのがあきらかで、それはさすがに障害のある子を持つ社員を差別するようで、会社の立場的にもできないかぁと思いました。
しかし今後はわかりません。

そして私達がこの学校を諦めた一番の理由が、学費の負担が日本の本社でなく、夫が現在出向している、タイの現地会社であったことでした。
もちろん申請は本社にするので、その了承を受けてのことですが、お金を払うのは、日本の本社よりだいぶ小規模なタイの現地会社なのです。

夫はナツの学費が会社の売り上げに、もろに響いてくるんだと言いました。
赤字だったこの会社に去年出向してきて、日本人もタイ人も力を合わせて、黒字に転換させよう!と頑張っているこの時に、この莫大な学費を会社に背負わせることはとても出来ないと言います。

相談した同じ会社の奥さんたちには、駐在員の権利として会社の規定にあるんだから、そんなこと気にせずに申請しちゃって大丈夫よと言われましたが、夫の気持ちもよくわかるんです。
ナツを連れてきたことで、いろんな場面で特例特例と言われ、相手は深い意味があって言ってるのではないと思いますが、やはり肩身の狭い思いはしていたと思います。

学費の件で、さらに会社に気を使うことになる。
やはり夫には気持ち良く働いてもらいたいし、それが弱点になっても可哀想。
何よりも、この事をきっかけに帰国になってしまう可能性は充分あることで、今やる気一杯でタイで頑張っているのを、そのことを理由に断たれてしまうのは勿体ないことだし、一家にとって得策でないと思いました。

夫婦で話し合った結果、この学校はやめようという結論になりました。

しかし、この学校自体はとても良い学校で、すでに通われているお友達もいるし、この春から日本人の先生もパートで入ると聞いていたし、駅近で通いやすいしで、やはりここに入れるのが、ナツにとっては一番いいという思いも捨てきれず、一度は全額自己負担してでもここに入れようかと考えました。

しかし冷静に考えると、それだけのお金を出すなら、何でもできちゃうよ!と思い直しました。
それだけあれば、毎月飛行機で日本とバンコクを行ったり来たりすることもできちゃうし、家庭教師を何人も雇うこともできちゃう。

そもそもうちの場合は、英語を身に付けさせたいとか、将来海外で活躍してもらいたいとか、そんな目標があってインターナショナルスクールに入れる訳じゃない。
行き先がなくて、ある意味仕方なく入れるわけで。

ここでインターに入れたからって、将来何か約束される訳でもない、ただお金を使うだけ。
だったら少しでも、ナツの将来のために、お金を残しておいてあげたい。
ここでそんなに使うわけにはいかない。

という結論に至り、後ろ髪引かれる思いを残しながらも、このインターナショナルスクールは候補から外すことにしたのでした。
第一候補だった学校を諦め、進路変更したのはこのような理由からだったわけです。

by mineyom | 2015-04-06 19:47 | タイ生活 就学(中学校)