新しいお仕事

この1年の間に、ナツだけでなく私にも少し変化がありました。
2年間続けた「ママポン」の仕事を3月で卒業しました。
理由はいろいろあるのですが、まず発行の1ヶ月前ぐらいから非常に忙しくなり、徹夜が続いたり、ナツの相手を出来なくなってしまったりと時間の余裕がなく限界を感じてしまったこと。
そして、この先の人生を考える上で、今後どのように生きていくのか真剣に考えたこと。

子どもの頃から本が好きで、学校を出てから夫が転勤になるまで出版社で働いていました。
本作りの仕事が好きで、やりがいも感じていました。
しかし他の子よりも少しだけ手の掛かるナツという子を授かった今、出版業界という不規則で拘束時間の長い仕事をするのはちょっときついかなと感じました。
そしてこの子とこの先生きていく上で、どのように進んで行こうかなぁと考えました。
しばらく思案しました。
そしてきっかけは、やはりナツが運んできたのだなぁと思います。

ナツが年少の秋、私は幼稚園から保育園へナツを転園させ、半年間保育園に母子通園をしていました。
その時は体力的にもきつく、精神的にも他の子との違いを見せ付けられ、ナツの障害を本当の意味で受け入れざるを得なくなった、辛い体験だったのですが、その反面新しい発見もたくさんあったのです。
クラスの子ども達は付き添いである私を、まるで保育士の一人のように扱ってくれました。
わがまま言ってみたり、甘えたり、スキンシップしてきたり。

そんなふうに子どもと触れあい、関わっていくうち、「子どもの反応って面白いなぁ!」と感じました。
豊かな発想で、打てば響く言動。
おっとりとしたナツを育てている私には、ものすごく新鮮でした。
子どもって眩しいなぁと思いました。
その経験が下地になっているのだと思います。

子どもと関わる仕事をしたいなぁと思いました。
その中でも、障害を持つお子さんのママのサポートが出来たら。
小さいお子さんを抱え、1人で悩んでいるママの話を聞いて、少しでも癒すことが出来たら。
障害があるからとなかなかお子さんから離れられないママの息抜きになるように、お子さんを預かって手助けできたら。

もともと本好きなこともあって、ナツが生まれてから、障害に関するいろいろな本を読みました。
ネットで夜を徹して調べたりもしました。
そして自分自身経験して、感じたこともたくさんあります。
変な言い方ですが、それを使わないのももったいないなと思ったのです。

そんなことを考えるうち、ナツは赤ちゃんが大好き。私が出版の仕事をしていたら接点はないけど、一緒に保育の仕事なら出来るのではないかと思いました。
今まで、現在のことだけで精一杯で、ナツの将来のことまでなかなか考えられなかったのですが、その時は、そうだ、そうすればいいんだとスーっと全てのことがつながり、落ち着くべきところに落ち着くような気がしました。

ナツを犠牲にすることなく、それどころかナツの将来の居場所が見つかり、その上私の人生をかけてのやりがいのある仕事があった。
これしかない!とその時は思いました。
昔から子どもは好きでしたが、正直それを仕事にすることは考えたことがありませんでした。
ナツがいなかったら、そうなることはなかったでしょう。
きっとナツを授かった意味もここにあるのかなと思いました。
ナツによって、私の人生が深く豊かになっていると思います。

しかし所詮は素人。いろいろと勉強しなければならないと思いました。
そしてまずは子どものことを勉強したいと思い、昨年秋から週1回学校に通い、半年かけて「チャイルドマインダー」の資格を取りました。
チャイルドマインダーとは、家庭などで子どものケアをする者ですが、少人数できめ細かく見ていくこと、ただ世話をするだけではなく、子どもの成長と発達を支えるため、子どもを主体ととらえて関わっていくことなどの理念に心惹かれました。
実際の授業内容は、子どもの特性や保育の仕方だけでなく、食育や親とのコミュニケーションのとり方、現在の保育環境における問題点など多岐に渡っており、非常に勉強になりました。
小児救急救護法の授業もあり、取得できたのも良かったです。

今は先輩修了生さんが経営するチャイルドマインダー派遣会社に登録し、訪問保育の仕事をしています。
子どもと関わるのは面白く、そして難しくもあり、現在修行中です。

近い将来には保育士の資格も取り、保育ルーム開設の夢に向って少しずつ進んでいけたらなと思います。

by mineyom | 2008-05-19 13:54 | 育児の学び