【就学相談】判定

就学相談も終盤に差し掛かりました。
とうとう判定の日です。

判定は面談、知能検査、体験入学の様子、そしてこの日に行われた行動観察の結果を総合して、就学委員会の先生方の話し合いによって出されます。
行動観察は、数組の親子が参加し、集団での指示が聞けるか、適切な行動か出来るかなどを見るものでした。
当日ナツは保育園を休ませて連れて行ったのですが、時間がちょうどお昼寝時間に当っており、機嫌はいまいち。
何とか気分を盛り上げながら会場に向いました。

会場には6つテーブルが用意されており、その日はナツを入れて6人の子どもが参加していました。
各テーブルには、絵本、画用紙とクレヨン、はさみ、のりなどが用意されて、時間まで自由に遊んでいてくださいということでした。
絵本はナツの好きな「ノンタン」ときむらゆういちさんの「ごあいさつあそび」。
そして大好きなハサミがあったので、ナツは嬉々として用意されていた画用紙をジョキジョキ切り出しました。
これなら大丈夫そう~♪と思ったとき、外でざわざわとした気配。
教育センターの方の「先生方がいらっしゃいました」の声とともに、いきなりたくさんの大人がドドドッと部屋に入ってきました。

子ども1人に付き3人の先生が付くそうで、20人近くの先生が急に、そう広くもない部屋に入ってきたのです。
予想もしていなかったナツは、完全に動きが止まり、私にへばりついてしまいました。
ここのところ、就学関係でいろんなところに出向いていたので、また何かいつもと違うことをさせられる!と緊張してしまったんだと思います。

ナツの担当の先生は女性の優しそうな先生でしたが、先生が「何しようか?」と聞いた途端、ウワァと泣き出してしまいました。
それまで機嫌よく遊んでいたのに、どう誘われても何もしようとせず・・・。
急にたくさんの人がわぁっと入ってきて囲まれたら、そりゃ驚きますよね。

ナツは小さい頃から、どこへ連れて行っても、誰に会わせても全く抵抗のない子でした。
初めての場所でも、連れて行けばそこで素直に過ごしていました。
それがかなり楽だったりしたのですが、ただ単によくわかっていなかっただけだったようです。
最近は状況が多少なりとも理解できるようになったので、実は思っていたよりも繊細な子だったんだと気付きました。

この子どもの様子を観察する時間、親は面談となっていたので、泣いているナツに後ろ髪引かれながらも、私は面談室に向いました。
面談では普段の様子と親の希望を聞かれ、特別支援学級希望であること、子供同士の関わりを大事にしたいこと、自分から働きかけるタイプではないので、刺激を与えてくれる環境に入れたいことなどをお話しました。

面談を終えて部屋に戻ると、ナツは先生とお絵描きしていました。
私が行ってしばらくすると泣き止んだそうです。
積極的に活動はしなかったようですが・・・。
課題の1つになっていたお着替えもしていませんでした。
これは周りを見ると着替えていたのは半分で、後のお子さんは嫌がって着替えなかったということだったのでホッとしました。
私の顔を見ると、また一瞬泣きべそになりましたが、何とか持ちこたえていました。

次にみんなで隣の部屋に移動して体操です。
うわぁ、移動なんて大丈夫かなぁと思ったのですが、担当の先生がフラフープを6つつなげた物を持ってきて、「この電車に乗ってお隣の部屋に行くよ~。みんな乗って~」と言うと、ナツの目がキラキラ。
これはいける!と思って背中を押すと、喜んで電車ごっこの中に入りました。
ニコニコと隣の部屋に消えて行き、ここでようやく完全に気持ちを立て直したようです。

体操をしている間は、他のお母さん方は後ろの扉から覗く中、私は顔を見せたらまた崩れてしまうと、1人物陰に隠れてこっそり見ていました。
角度的によく見えませんでしたが、楽しそうに先生を見てはいましたが、全く動けていなかった模様。
これは元々、初めての活動ではじっくり見るという時間が長く、ある程度覚えるまではなかなか体を動かせない子なので、仕方なし。
輪の中にはちゃんと入っていたので、まぁいいかなという感じです。

その後おもちゃ遊びとなったのですが、ここでとうとう本領発揮。
大好きなままごと遊びをやっていて、先生相手に楽しくやり取りしながら遊んでいました。
最後に自分の荷物を持ってお帰りとなったのですが、ナツのお着替えが入ったバッグを手にした先生に「これは誰の?」と聞かれて、元気よく「なっちゃんの!」と即答したのにはびっくり。
部屋の出口まで見送ってもらい、私は体験入学のときの、校長先生の前で「できない!」と靴を投げた悪夢がよみがえってドキドキしたのですが、ナツは先生の視線が集まる中、鼻歌まじりでご機嫌に靴を履いて立ち上がったのでした。

何だかよくわからぬまま、あっという間に行動観察は終了し、帰宅となりました。
このあと先生方で話し合い、2~3時間後に判定結果を電話でお知らせしますと言われ、家で待機です。
今回の行動観察は果たして判断材料になったのか?疑問に感じながらも、家で待つこと2時間。
区の学務課の方から電話がありました。

いきなり本題に入り、「判定の結果、特別支援学級が適当であると判定されました」とのお言葉。
正直、ああ良かったと力が抜けました。
希望どうりではない場合、更に話し合いを重ね、判定を覆すのはかなり大変だと先輩ママに聞いていたので。
これで学校選びが出来ると思いました。

判定の根拠としては、「自分の慣れたよくわかっている活動では、集団の中にも入っていけるし、動くことができるが、新しいことには消極的。小集団での指導の中で、力を伸ばしていけると判断されました」とのことです。
学務課の方に、「この判定で異議はありませんか」と聞かれました。
何となく、普通学級判定ではありませんが・・・というニュアンスだったので、そんなこと全く考えていませんでした!という勢いで「全く問題ありません!」と力強く答えてしまいました。

判定の結果的には良かったですが、判定自体にはこれでいいの?という思いが残りました。
これで本当にナツのことがわかったのかなぁ?と。
障害のあるお子さんをたくさん見ている先生方ですから、ある程度は就学後の姿を予想できるのかもしれませんが、こういうタイプの子はここ、というようなある程度決まった枠の中で判定している印象を受けました。
就学相談と言っても、実際は1人の子をじっくりと見て、相談を重ねながら就学先を決めていくというものではなく、本当にただ子どもの様子を見て、行き先を決めてもらうというだけのものなので、やはりある程度親が、しっかりと自分の中で確信を持って希望を出さないといけないなと思いました。そうでなければ不安なまま終わりそう。
その確信がなければ、就学後、判定に従ったからこんなことに・・・となりそうな気もしました。

闇雲に自分の思いだけ通してもいけませんが、判定は重要な判断基準だと認識しつつ、親もじっくり考えなければいけないと思います。
最後に決めるのは親だというのはそういうことかなと思いました。

by mineyom | 2008-09-26 11:01 | 就学